
Planet Journal 惑星日記 山崎美弥子|131番地の天国
「あの坂を上ってみよう。」偉大なる、愛しき人という名の坂道。道の両脇に窮屈な三次元世界から溢れ出さんばかりに咲き乱れた、一面の黄色いワイルド・クリサンセマム(野菊)。…まるで天国の風景みたい。
もっと読む「あの坂を上ってみよう。」偉大なる、愛しき人という名の坂道。道の両脇に窮屈な三次元世界から溢れ出さんばかりに咲き乱れた、一面の黄色いワイルド・クリサンセマム(野菊)。…まるで天国の風景みたい。
もっと読む水平線の向こうの国まで旅しようと決めたなら、小さな島ではまず、旅券に貼り付けるため顔写真を、誰が撮ってくれるのか考えなくてはならない。
もっと読む「アローハ」…天国131番地の家の、ライムイエローの午後のこと。誰かが呼びかける声が聞こえてきた。
もっと読む透けるようなプルシヤンブルーの月夜に浮かぶ白い虹、ナイトレインボー。見る者の願いを叶えるというその虹の出現は、まるで常夏の島のミラージュのように神秘的。
もっと読む朝、目覚めた後のほんの束の間の、すべての記憶が消えてしまったような、あの不思議な時間。
もっと読む“まっすぐな眼差しの⼩さな⼥の⼦”。ママに連れられ隣の島から、たった⼋⼈乗りのセスナ機に初めて乗って、天国131番地の丘の上にある我が家に訪れた。
もっと読む彼⼥の声は泣いている。「ママ、こわい。わたし、⽣まれてはじめてクルマを買ったの」電話は、この夏から⾶⾏機を乗り継いだ島で暮らし始めた⻑⼥キラカイからだった。
もっと読むこの島では終わりもなく夏が続いてる。一方、わたしの故郷には、あきらかなる春夏秋冬による現象世界の変化がある。夏はいつも胸を焦がすほどに、待ち遠しくまぶしいものであり....
もっと読む流れる川のような美しい白髪の友。我が子を失ったことがある彼女は、人生が「気づかない不思議」で満ちていることを語った。
もっと読む海と空がコバルトブルーに塗りつぶされる…。そんな日の海辺で、何か小さなモノが不意に失われる事件は、予想以上によく起こる。
もっと読む夏の終わり、長女キラカイが運転するピックアップトラック。助手席に座るわたしは、サマー・ブレイク(夏休み)でこの島に帰って来た、19歳の日焼けした運転手と語りあっていた。
もっと読む島の歌い手、ロノ。この島に訪れたことのある人は、きっと魅了されたことがあるだろう。そう、海沿いのレストランの、古びた椅子に腰掛けてウクレレを弾く、彼の朴訥とした歌声に。
もっと読むレ・ヴィ(la vie)とはフランス語で人生という意味だという。そんな名を待つ彼は、太平洋の青に浮かべた白いマストが際立つ、38フィートのセールボート(ヨット)を住処として暮らしていた。
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