
Planet Journal 惑星日記 山崎美弥子|vol.14 裸足のステップ
島の八月も終わる。天国 131 番地の丘に建つこの家では、過ぎ去った季節たちと変わることなく、この島を産み落とした母であるという女神が吹かせるその風が…
もっと読む島の八月も終わる。天国 131 番地の丘に建つこの家では、過ぎ去った季節たちと変わることなく、この島を産み落とした母であるという女神が吹かせるその風が…
もっと読む「見ちゃだめ!」 驚いて目覚める日曜日の朝。逆らうことはできそうもないその無邪気な声に従って、声の方角から目を背け、ベッドルームから脱出して庭に出た。音を立てないように。
もっと読むマンゴウの味は、ピーチのそれに類似する。わたしが、島の向こうの、遠い大都市(まち)で暮らす少女だった頃、マンゴウを食べたことは一度だってありはしなかった。
もっと読む夜明けまえと日暮れあと、天国131番地の家があるこの丘には、野生の鹿たちが訪れる。彼らは時に、五十頭あまりもの群れになってやって来る。
もっと読むわたしとレビーが船上の人生の幕を下ろして、船を手放したあの日。歳月は過ぎ去り、再び船に出会う運命が訪れた。そう、もう一度わたしたちはセイルボートを手に入れたのだ。
もっと読むフラリとリウラ。輝きと黄昏。そんな対照的な名を授かった島の姉妹。ユーカリ香る道を抜け、ペニンシュラ(半島)を一望する秘密の展望台へ…
もっと読む遠い島へと旅をした。その島は1000年の森の王国であるという。そこは、水の精霊たちの住まうところ。
もっと読む「あの坂を上ってみよう。」偉大なる、愛しき人という名の坂道。道の両脇に窮屈な三次元世界から溢れ出さんばかりに咲き乱れた、一面の黄色いワイルド・クリサンセマム(野菊)。…まるで天国の風景みたい。
もっと読む水平線の向こうの国まで旅しようと決めたなら、小さな島ではまず、旅券に貼り付けるため顔写真を、誰が撮ってくれるのか考えなくてはならない。
もっと読む「アローハ」…天国131番地の家の、ライムイエローの午後のこと。誰かが呼びかける声が聞こえてきた。
もっと読む透けるようなプルシヤンブルーの月夜に浮かぶ白い虹、ナイトレインボー。見る者の願いを叶えるというその虹の出現は、まるで常夏の島のミラージュのように神秘的。
もっと読む朝、目覚めた後のほんの束の間の、すべての記憶が消えてしまったような、あの不思議な時間。
もっと読む“まっすぐな眼差しの⼩さな⼥の⼦”。ママに連れられ隣の島から、たった⼋⼈乗りのセスナ機に初めて乗って、天国131番地の丘の上にある我が家に訪れた。
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